第3回 平島剛教授インタビュー

実験室に移動し各種選別装置とバイオマスの反応装置を紹介して頂きました。バイオマスの反応装置と循環型の風力選別機については実際に装置を動かしてもらい、装置の仕組みを説明して頂きました。

実験室紹介 選別装置とバイオマスの反応装置

11.2MB, 4′11”

テーブル選別機

比重で分ける比重選別機です。テーブルを振動させて高品位の物と低品位の物とに分けます。

スパイラル選別機

上から流すだけですが、外側に軽い粒子、内側に重たい粒子ということで比重で分けます。

浮選機

下から泡を出して、泡に付く粒子と泡に付かない粒子とを、表面の疎水性、親水性を利用して分ける装置です。

造粒装置

球形の粒を作る装置です。例えば、石油コークス、石油を精製した後の残渣物なのですが、灰分は1%くらいで、石炭よりはいいんですね。これを化学工場なんかでは粉砕してですね、燃やしているのですが、燃やした後、NOxがあまり出すぎないようにするために、少し温度を下げますと、電気集塵機のところで灰分が高くなる。それでも灰分が10%くらいで、90%くらいは燃える成分であると。これを廃棄するのはもったいないので、これをこのような撹拌装置の中に入れて、水で懸濁させて、油を入れてやると、こういう球形造粒物が出来ます。それを、ふるいで振ってやると、この球形の造粒物はふるいの上に、灰は親水性なので、ふるいの下に落ちてきます。それでこれは、可燃物ですから石油コークスと混ぜてもう一度燃やす。灰の方は、石油コークスですとバナジウムが入っていますので、これはバナジウム原料として利用も可能です。

そういう為に開発された装置なのですが、水ベースで疎水性粒子を懸濁させたのですけど、これを油ベースの液体に置き換えて、ジルコニアが2.65%入ったイットリウムの粉体を入れて、水をちょっと入れてやるんですね。そうすると、粉体が球形の粒になります。それを1450度くらいで焼結してやると、球形の粒が出来ます。だいたい50μmの均一な粒とか100μmとか200μmとかのサイズです。従来は、転動造粒という方法で作っていたのですが、それでは500μmより大きい粒なんですね。この方法でやると10分の1まで作れる。これは、ナノパウダー用の粉砕媒体ですね。みなさんが、ナノパウダーを作るために超微粉砕用のビーズを買うというときには、だいたいこれを使っているのではないかと思います。こういのもうちでは、以前、研究していました。これも、表面のぬれ性を利用して作る技術です。

磁力選別機

磁石で物を分ける装置です。

マルチグラビティセパレータ

これも比重で分ける、比重選別機です。遠心力により粒子の選別が出来るように改良された装置です。

21.1MB, 7′38”

風力選別機

これは、風力で分ける装置です。下から風を送って、振動させて軽いものが奥側へ、重たいものが手前側へ分かれます。

うちの研究では、選別に水を使ったり、風を使ったり、あの手この手で物を分けるというのがひとつポイントです。物と物との性質の違いを利用して分けます。例えば、それが微生物を利用して分ける方法もあります。微生物が好きな鉱物、微生物が付着しやすい鉱物を使って、その表面の性状を変えて分けるという場合もあります。いろんな知識を必要とします。

バイオマスの処理装置

平島先生と研究員の熊谷さんに装置の仕組みについて説明していただきました。

 

こちらは、バイオマスの処理装置です。研究員の熊谷さんが中心になって研究をおこなっています。半回分式の反応装置です。反応器に分解する試料を入れます。反応系内に高圧ポンプで水を送ります。こちらが、ステンレスで作られた蛇管とオイルバスで構成された熱交換器です。ここで熱せられた水が反応器に入って、試料と反応します。冷却器で冷やされて、圧力調整弁を通過して出てきます。反応器の両端には試料が漏れ出さないようにフィルターがついていまして、溶けたものだけが、取り出されるという形になっています。この装置では、急激に熱して急激に冷ますことが可能です。例えば、オートクレーブのようなバッチタイプの装置だと温度がゆっくりと上がっていって、ある温度になって一定になって、ゆっくりと下がっていくと。その間にいろんな反応が起こってしまって予期せぬものとか、期待していないようなものとかが出来てしまいます。しかし、この装置だと短時間で温度を急激に下げることができますので、基礎研究にも向いていますし、得られる成分も有用な成分が得られます。

循環型の風力選別機

これは、循環型の風力選別機になります。風がここで回転して、こちら側から入ってまた循環するという、こういう流れで循環します。重たいものは下のほうへ落ちて、軽いものはこちらに飛んでいく、その中で下に衝突板があって、ここにAEセンサーを付けています。 重い方の衝突板と軽い方の衝突板、両方に付けてあります。粒子が飛んで行って軽い方に飛んでいけば軽い方の衝突板にぶつかるし、重い方に飛んでいけば重い方の衝突板にぶつかります。その情報をもとに、パソコンで歩留まり制御、品位制御をしようというのが目標です。実際、PETに対しても出来ますし、あとフライアッシュなどの例えば、中空球形粒子を効率的に回収しようというときに、最適な風速に自動的に持っていこうというのが最終的な目標です。

専門用語の解説 疎水性:水に対する親和性が低い、すなわち水に溶解しにくい、あるいは水と混ざりにくい物質または分子(の一部分)の性質/親水性:水との間に親和性を示す化学種や置換基の物理的特性