第3回 平島剛教授インタビュー

研究を一つのシステムに組み上げる

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平島教授:これまで個別にやっていた研究を一つのシステムに組み上げていこうというのが今後の研究課題ですね。例えば、東南アジアの廃バイオマスだけの研究、泥炭の燃料化研究、褐炭の燃料化研究、そして、それらを混ぜ合わせたバイオコールという燃料化研究もやっている。そこには改質液も出てくる。改質液の中にはカテコールとか、有価な化学成分も入っている。ただ、排水処理という面で問題になる点もある。我々が今考えているのは、その改質液自体が酸性鉱山排水の抑制にも使えるのではないかということ。基礎研究での結果もでてきている。ですから、そういうものの応用と、あと先ほど言ったように混合燃料を作って燃やしたあとにセノスフェアにする。トータルのシステムで経済性を高めようというのが、今後の研究課題です。

大きい1本ではなくて、森というか全体で。

平島教授:そうですね。全体のシステムとしてトータルで燃料の方でもCO2削減型のエコ燃料であり、燃やした後にセノスフェアが出来る。そして、液体が出てくるのだけど、その液体は鉱山開発した跡地の黄鉄鉱硫黄の抑制に使えるというようなことで、トータルのシステムとして上手に使えないか。ひとつが抜けてしまうと、そこでのデメリットが足を引っ張りますので、トータルで使えないかといういことも考えています。それが研究課題です。

課題と同時にそれがそのまま社会に産業に応用されると。

平島教授:そうですね。それが出来れば、それぞれ石炭の開発あるいは、石炭の利用、発電の方でも使えるしということで、それぞれのパーツ、パーツの産業で使えるということですね。

その地域、地域に適したもの、まさにそのシステムを構築されていると。

平島教授:そうですね。その基礎を作り上げようということで、全部は企業の方と一緒にやらなければいけないということですけども。その成果としては、石炭燃焼灰からの有価物回収ということで、出光興産さんと一緒に共同研究をして、セノスフェア、中空球形粒子の製造法の特許を取っている。水熱処理関係では、研究員の熊谷さんが、第18回日本エネルギー学会の大会で発表した「水熱反応を用いた孟宗竹からのキシロオリゴ糖の生産と残渣の燃料化」ということで、低温で孟宗竹からキシロオリゴ糖を作って、それは糖として有効に利用して、最終的にはリグニン質のものが残るわけですね。それは炭素含有量が高いものですから、燃料に使えるのではないかと。そういう、エネルギー+化学製品としての利用も水熱処理の最近の成果として出てきています。あと、環境修復については、笹木圭子先生が筆頭で書かれた論文が、昨年度、資源素材学会の論文賞を受賞したということで、うちの研究チームに一つ名誉な賞を頂いたと。