第3回 平島剛教授インタビュー

地域の特性に合ったシステムの構築を

—先程から教えて頂いている、褐炭ですとか高灰分炭というのは、皆がある意味嫌う、水分が多かったり硫黄分が多かったり灰分が多かったりなんですが、あえてそこにチャレンジされるというのは、今後の地球で利用できるエネルギーと考えてもよろしいでしょうか。

15.0MB, 4′29”

平島教授:そうですね、ひとつはバイオマスというのは、これからCO2削減という意味では、積極的に使っていくということで。日本のバイオマスというよりは、我々が考えているのは石炭国にあるバイオマスとうことで東南アジア、インドネシアなどに大量に存在する、例えば、パームオイルを生産する時の廃材というものを考えています。そういうところのものを持ってくるときに、やはりそれだけでコスト的に考えてですね、あと安定的に供給できるかという面からも考えると、やはり褐炭などの安定的に採炭できるものと一緒に持ってくる。ただ、褐炭を脱水化して、褐炭は自然燃焼しやすい石炭ですから、そのままでは持ってこられない。だから、日本に持ってくるには必ず前処理が必要になる訳ですけれども、その時にバイオマスと混合して、自然発火を抑えつつというようなことが出来れば、かなり資源の安定供給には貢献できることと思っています。泥炭なんかはインドネシアでは自然発火の原因になっています。たしか1997年だと思いますが、CO2の排出量としては、石炭などの化石燃料から排出されるCO2の約20%程度が泥炭火災によってインドネシアから発生していると。

そんなに発生しているのですか。

平島教授:エルニーニョ現象が関与しているのですけども、エルニーニョ現象がおこると、本来雨季で雨が降ると予想されるぐらいになると農家の人たちは火をつけて焼き畑農業をするのですが、来週あたり雨が降るでしょうということで火をつけるのですけど、エルニーニョ現象があると雨が降らなくなってしまって永遠と燃えだす。その燃える原因は下に泥炭地、褐炭があると、泥炭に火が着き始めると、それがずっと燃えていってCO2の排出が永遠と続く。そういうような泥炭地を今後どうするかということをインドネシア政府も真剣に考えていまして、そのなかでですね、やはりインドネシアも泥炭をエネルギーとして利用しようということを一つのテーマにあげてきている。本来ならば、環境修復ということで従来ある姿に戻すということが本質かもしれませんけれども、すでに開発されてしまった地域ということで見ますと、そういうような泥炭なども将来的にはエネルギーとして利用できるような、そして農民が焼畑農業をしなくても生活できるようなシステムというのを考えていく必要がある。そういうような立場で泥炭なども研究しています。

国内だけではなく、それぞれの地域に合ったエネルギーの利用や、その環境だったり、その生活に対する配慮ということでしょうか。

平島教授:そうですね、泥炭地域の農家の人というのは非常に貧しいのですよね。それで、カリマンタン島、特に西の方のカリマンタン島なんかでそういう現象が起こりやすいのですけれども、そこには石炭もありませんので、発電も困っているということもあります。そういうことで、燃料化できれば、その地域の人の発電などにも使うこともできる。

生活も豊かになると。

そうですね。

専門用語の解説 エルニーニョ現象:東太平洋の赤道付近(ガラパゴス諸島付近、あるいはペルー沖とされることが多い)で海水温が上昇する現象