第1回 深井潤教授インタビュー

産業分野の省エネルギー化に貢献する

-先生、最近注目している、始められた研究はありますでしょうか。

6.8MB, 3’13”

深井教授:ひとつは、このケミカルヒートポンプにも関係してくるのですけども、石油化学工業で精留塔(蒸留塔)てありますが、あれは非常に熱エネルギーが無駄に用いられているプロセスで、確かにそういうことは昔から分かっていたので、構造の改良なども試みられているのですが、ああいうのを新しいのを建てようとすると、どうしてもちょうど昔の装置が使えなくなった時になりますので、なかなか省エネルギー化が進んでいません。そこで、じゃあ石油化学工業の中でどこが一番エネルギーをロスしているかということを考えまして、そうすると、蒸留塔の熱源ですね、蒸気使いますけども、蒸気で熱交換してやって分離するわけですけども、その出てきた蒸気が非常に無駄に捨てられているということが分かっております。それで、なんとかこの辺を解決したいということで、その蒸留で出てきた熱水をまた蒸気に戻してやろうと、つまり、ヒートポンプ的なことをやってなんとか蒸気を発生させてやる。そういう風な研究を行っています。

もうひとつは、排熱回収って簡単に言いますけども、工場なんかの排ガスの中にはご存じのように腐食性ガスが多く含まれているものが多いと、そうしますと、熱回収するためには、先程にもちょっと言いましたが、フィンをつけてやるというフィン付伝熱管を使うことになりますけども、腐食性があるとどうしてもフィンていうやつがすぐやられてしまってフィンの作用をしない、最初から円管をいれているのと同じということになります。そこで非常に熱交換ロスが生じまして、それを例えば数%あげてやれば、例えば鉄鋼業なんかですと非常に大きなエネルギーを使ってますので、数%で大きな省エネ効果があるということです。で、このような炭素繊維、これとは全く違う形状ですけども、炭素繊維が耐腐食性に優れているという特徴を生かしまして、炭素繊維を使って伝熱促進をしてやると、そういう風な研究も今行っております。

-その熱の伝わる現象を改善することで省エネルギーに大きく貢献する研究であるということでよろしいでしょうか。

深井教授:そういうことです。